旧加藤商会ビル1

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納屋橋》昭和のモダニズム建築の特徴を今に伝える「旧加藤商会ビル」。現在は、納屋橋・堀川の今を伝える情報発信基地です。

2017/06/14  

地下鉄東山線/鶴舞線 伏見駅の7、8番出入口を出て、広小路通を西へ10分ほど歩くと、堀川に架かる「納屋橋」があります。
そのたもとにある、白とレンガ色のバイカラーになったお洒落なビルが「旧加藤商会ビル」です。

旧加藤商会ビル2
「旧加藤商会ビル」は、1931年(昭和6年)頃に貿易会社「加藤商会」の新本社ビルとして建てられました。
1階は御影石を使った石張り、2階以上はレンガ風のタイル張りになっています。元々は、よく似た外観のレンガ造りの旧本社ビルが建っていましたが、1931年(大正12年)の関東大震災でレンガ造りの耐震性の低さが問題になったことを受け、鉄筋コンクリート構造に建て替えられたようです。

旧加藤商会ビル3
南東の角をアール状にして作られた玄関は、まさにこのビルの顔。アールに沿ってほどこされたレリーフやテラコッタの柱頭飾りが近代建築の特徴を今に伝える、シンプルながらも洗練された佇まいです。
2001年(平成13年)には、国の登録有形文化財に登録され、アール・ヌーヴォーの影響を受けた華やかな「納屋橋」と共にこの界隈のレトロモダンな景観を印象づけています。

旧加藤商会ビル4
このビルの名前にもなっている「加藤商会」は主にシャム国(現在のタイ)などの東南アジアから米などの輸入を行った貿易会社で、輸入米の取扱については名古屋随一とも言われる商社でした。
米価が急騰し、名古屋でも大変な騒ぎになった1918年(大正7年)の米騒動の際には、「加藤商会」の初代社長「加藤勝太郎」氏が、外米3万俵を緊急輸入し、騒動を沈静化させたそうです。

旧加藤商会ビル4
1935年(昭和10年)には、「加藤勝太郎」氏がシャム国から名誉領事に任命され、終戦までの間、このビルにシャム国の領事館が置かれました。
そんな歴史もあってか、現在の「旧加藤商会ビル」の1~3階ではタイ料理店「サイアムガーデン」が営業しており、ビルの前を通ると食欲を刺激するスパイシーな香りが漂ってきます。

旧加藤商会ビル6
正面から見ると3階建てに見える「旧加藤商会ビル」ですが、実は地上3階地下1階建ての建物です。「納屋橋」の上から見ると川岸に面して、一段低くなっており、地階があるのが分かります。
現在では、川岸は遊歩道として整備されていますが、「加藤商会」の本社ビルとしてこのビルが建てられた当時は、堀川の舟運が物流の中心だったため、名古屋港に運ばれて来た荷物を船でここまで運んでいたそうです。

旧加藤商会ビル7
地階へは、玄関脇の階段を降りた川岸の遊歩道側から入ることが出来ます。

旧加藤商会ビル8
1階とは異なり、でこぼこした石の風合いを生かした外壁の地階は、輸入物資の倉庫として使われていました。現在は堀川の情報発信基地「堀川ギャラリー」になっています。

旧加藤商会ビル9
「堀川ギャラリー」は、堀川の歴史・環境・文化に関する情報の収集や展示の為に作られたスペースです。堀川や納屋橋界隈をテーマにした研究発表や作品展、イベントなどが定期的に行われ、市民の交流の場になっています。

旧加藤商会ビル10
名古屋の街が焼け野原となった名古屋大空襲を奇跡的に逃れた「旧加藤商会ビル」。戦後、所有者が代わり、一時はビル全体が看板広告に覆われたり、取り壊しが検討されたこともありましたが、その美しい外観や歴史的価値は名古屋市民にとって、何ものにも代えがたいものでした。
2000年(平成12年)に当時の所有者から名古屋市に寄付された後、保存活用を望む市民の声を受けて修復改修された「旧加藤商会ビル」は、納屋橋界隈の発展と堀川再生のシンボルとして、今も「納屋橋」のたもとに建ち続けています。

旧加藤商会ビル(堀川ギャラリー)
住所〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-15-17
駅・アクセス地下鉄東山線/鶴舞線 伏見駅 徒歩10分
営業時間10:00〜17:00
定休日月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始
電話番号052-202-3401


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