m2

食べる

鶴舞》「すべての始まりから関わりたい」とオーナーが1年かけてリノベーション。「レーモンド事務所」が設計した築約60年の店舗にDIYのセンスが光る「喫茶クロカワ」。

2017/06/13  

01
JR中央本線「鶴舞(つるまい)」駅「名大病院口」を出て、「名大病院西」の交差点を渡ります。右へ進み、二手に分かれた道を、左へ。マンションやビルに囲まれた路地を道なりに歩いていくと、右手に1階建てのガラス張りの建物が見えてきます。店頭に作られたしっかりとした自転車スタンドが目印です。
飾り気のない、洗練された外観。入り口のシンプルな「喫茶クロカワ」の看板が、ここが喫茶店であることを教えてくれます。

02
古めかしさを感じる建物は、1960年(昭和35年)にカナダの自動車部品会社の日本支社として建てられたものです。この建物を設計した「レーモンド事務所」の設立者である「アントニン・レーモンド」氏は日本の建築家に大きな影響を与えた人物で、名古屋で有名な「南山大学(なんざんだいがく)」の設計も手がけています。

03
もともとはオフィスとしてつくられた建物ですが、天窓があったりと、贅沢な造りになっていることを知った「喫茶クロカワ」オーナーの黒川さんはこの物件を気に入り、丸1年かけてリノベーションしました。店内の家具のほとんどは、黒川さんが廃材を使用してつくったものです。

04
黒川さんがご自身でつくったもの以外にも、廃校になった学校から譲り受けた机と椅子なども使用。
ご友人の設計士さんに助言をもらいつつ、楽しみながらつくりあげられた店内には黒川さんのこだわりが隅々まで行き渡っています。

05
黒川さんがコーヒーに強い興味を持ったのは、「コーヒーセレモニー」というエチオピアの伝統的な習慣に触れたことがきっかけだったそうです。「コーヒーセレモニー」は生豆を煎るところから始まり、1時間半ほどかけてコーヒーを楽しむ儀式的なもの。部屋を飾り、お香を焚き、茶菓子を用意するなど、そこには味だけでなく客人へのおもてなしの心がありました。そんなコーヒー文化に感銘を受け、ご自身でも豆を買い、コーヒーを販売するまでに至りました。

06
「喫茶クロカワ」で取り扱っているコーヒー豆の精製方法は、豆本来の味が生かされる「ナチュラル精製」と「パルプドナチュラル精製」のものが多めです。メニューに「ブレンドコーヒー」はなく、その「豆」の持つ味・香りそのままを堪能できる「ストレートコーヒー」のみを提供しています。

07
豆は自家焙煎で、常時6~7種類ほどが用意されています。メニューには味の説明やおすすめの飲み方などが具体的に記載されているので、イメージがしやすく、コーヒーの知識がなくてもその時飲みたいものを選ぶことができます。

08
注文を受け、丁寧に愛情を込めてハンドドリップをする黒川さん。その様子を眺めながらコーヒーが出来上がるのを待っていると、とても特別で贅沢な気分になってきます。

09
コーヒー発祥の地と言われるエチオピアの豆「イルガチャフィーベレカG1」をセレクト。エチオピア産の特徴であるフルーティーな香りを楽しめます。飲んでみると香りから想像するほど酸味は強くなく、苦味の少ないすっきりとした味。焙煎度はフルシティロースト(中深炒り)で、ほのかに紅茶のような風味も感じられます。

10
アイスコーヒーは「水出しコーヒー」です。日本の水出しコーヒー器具の老舗「オージ」の水出しドリッパーは、フォルムも美しくお店のインテリアのポイントになっています。

11
ゆっくりと3~4時間かけて抽出することにより雑味は消え、まろやかな口当たりでありながらも後味はさっぱり。コーヒー豆の質がそのまま味に出る「水出しコーヒー」を提供できるのは、質の良い豆を扱っている証です。

12
小さめのサイズがかわいらしい「クレーム・ブリュレ」。出す直前にバーナーで焦がしたカラメルが香ばしく、カスタード部分はバニラが香る甘すぎない上品な仕上がりになっています。「喫茶クロカワ」のスイーツは「コーヒーに合う」ことを第一に考えてつくられているので、コーヒーとの相性は抜群です。

13
「テリーヌ・ショコラ」に使用されているのはオーガニックのチョコレート。食感は固めで、濃厚な味わいです。添えられている塩は英国王室御用達「Maldon(マルドン)のシーソルト」。「テリーヌ・ショコラ」と一緒に食べることでチョコレートの甘みがさらに引き立ちます。

14
コーヒーの他にも、無農薬栽培された「梅」や「ゆず」などの自家製シロップを使ったドリンクも人気です。7月~9月頃には「いちご」シロップも追加され、メニューに「かき氷」が登場し、好評を博しています。

15
黒川さんはお店の内装をはじめ、コーヒーやフードまですべてご自身で手がけられています。そこには「ここでしか味わえないもの」をお客様に提供したいという想いと、「すべての始まりから関わりたい」という黒川さん独自のこだわりがあるようです。
「いつかは日本でコーヒーの栽培からやってみたい」と照れ笑いしながらお話してくれた黒川さん。「喫茶クロカワ」は、控えめながら揺るぎない理想を持った黒川さん自身の魅力が投影された喫茶店です。

喫茶クロカワ
住所〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田5-8-27
駅・アクセスJR中央本線鶴舞駅「名大病院口」から徒歩5分
営業時間12:00〜19:30
定休日月曜日、火曜日


  1. このエントリーをはてなブックマークに追加
Translate »