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鶴舞》日本の歴史公園百選のひとつ、1909年(明治42年)に設置された歴史ある「鶴舞公園(つるまこうえん)」。「東山動物園」の起源でもあります。

2017/05/22  

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地下鉄鶴舞線鶴舞駅(つるまいせんつるまいえき)の4番出入口直通、JR中央線鶴舞駅(つるまいえき)の公園口から出てすぐに面積約24ヘクタールを誇る「鶴舞公園(つるまこうえん)」はあります。
東京ドーム約5個分の広大な公園が、名古屋駅から2駅の場所にあることに驚きです。

鶴舞公園マップ内面(HP用)1
http://www.nga.or.jp/tsuruma/#map

駅は「つるまい」と読みますが、「鶴舞公園」の読み方は「つるまこうえん」です。なぜ「つるま」と読むかは諸説ありますが、一説では昔この辺りが「水を湛(たた)えるところ」を意味する「水流間(つるま)」と呼ばれており、縁起の良い「鶴舞」という当て字を使ったからだとか。
その後、駅が新設される際に、駅や町名は読みやすい「つるまい」に変更されました。

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公園内には美しく整備された花壇やバラ園などがあり、サクラ・バラ・ハナショウブ・アジサイなどの見頃が続く4月~6月は、「花まつり」と称され、コンサートやイベントが開催されます。
イベントの内容は多岐にわたり、花苗や鉢花が販売される「春のグリーンバザール」や、1日で約5000人の来場があるグルメフェス「ナゴヤビーガングルメ祭り」など、老若男女を問わずたくさんの人が訪れます。

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花まつりの期間中、最も人で賑わうのは「桜」のシーズンです。
鶴舞公園の桜林は「日本さくら名所百選」に選ばれており、ライトアップもされるので昼夜問わず大盛況となります。
そんな「桜の名所」のイメージが強い鶴舞公園ですが、1909年(明治42年)に名古屋最初の公園として設置された100年以上の歴史を持つ公園ということはあまり知られていません。

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「記念写真帖」より抜粋/名古屋市市政資料館所蔵

開始当初はなかなか進まなかった公園設置計画ですが、産業博覧会の開催をきっかけに、もともと公園敷地として市が購入していた御器所村の田園地帯を埋め立てることで公園設置が実現しました。
たくさんの人が訪れた産業博覧会では様々なパビリオンが建設され、名古屋城を模した売店もあったそうです。

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「記念写真帖」より抜粋/名古屋市市政資料館所蔵

残念ながら空襲により焼失し、現在は見ることができませんが京都の金閣寺を模してつくられた「聞天閣(もんてんかく)」という施設もありました。鶴舞公園に金閣寺のような建造物があったことを知る人は少なく、その長い歴史を感じさせます。

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正面広場から公園内へ入っていくと、ヒマラヤ杉と「噴水塔」が見えてきます。
噴水塔を設計したのは、東海建築界の巨匠と呼ばれた「鈴木禎次(すずきていじ)」氏。ローマ様式の大理石円柱に石組という珍しい和様折衷式です。鶴舞公園のシンボルともいえる、優美な噴水です。

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鶴舞公園の中心に位置する「奏楽堂」も鈴木禎次氏が設計したもの。ステージ周辺の手すりにデザインされているのは、日本の国歌「君が代」の楽譜です。現在の奏楽堂は3代目で、築造当時の姿に復元されています。
日本史の教科書にも掲載されている1918年(大正7年)の「米騒動」では、糾弾の為の演壇となったり、1934年(昭和9年)の室戸台風で倒壊したりなど、時代の移り変わりの中で様々なことに直面してきた施設ですが、現在ではコンサートやイベントの会場として市民から親しまれています。

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公園の北東にある大きな謎の造形物。当初はこの上に愛知県出身の内閣総理大臣「加藤高明(かとうたかあき)」氏の銅像が建っていました。
戦争で資源の少ない日本は資源回収の名のもとに各家庭の金属類から、お寺の梵鐘(ぼんしょう)まで供出しなければらならい情勢に。鶴舞公園も例外ではなく加藤高明氏の銅像を供出することになり、今では御影石の台座が残るのみとなりました。

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鶴舞中央図書館の裏手になる南西の隅には、名古屋で有名な「東山動物園」の起源となった動物園の跡が残っています。
1918年(大正7年)にこの地に開園した「鶴舞公園付属動物園」は飼育動物250種800点と、当時としてはかなりの規模の動物園でした。
その後、東山動物園の開園に伴い1937年(昭和12年)に閉園し、現在は門柱2基だけがひっそりと当時の賑わいの名残をとどめています。

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歴史散策でお腹が空いたら、噴水から少し南に位置する公園内のカフェ「nuncnusQ(ヌンクヌスク)」へ。こちらも100年以上経っている古民家を改装してつくられた、趣のあるお店です。
クッキーやパウンドケーキなどテイクアウトできるお菓子や飲み物も豊富なので、公園でお散歩しながらの軽食も楽しめます。

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近年では、その景観からコスプレイヤーに人気の撮影場所になっていたり、「ポケモンGO」の聖地として取り上げられ多くの人から認知されるようになった「鶴舞公園」。
敷地内には陸上競技場などの運動施設や図書館もあり、名古屋市民にとっては身近な公園ですが「日本の歴史公園百選」や「国の登録記念物」に指定されるなど、その歴史的価値は非常に高いものです。
近代都市の中で歴史と自然が共存する「鶴舞公園」は、今も昔も人々が集い繋がる貴重な大公園です。

鶴舞公園
住所〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目
駅・アクセス地下鉄鶴舞線鶴舞駅 4番出入口直通、JR中央線鶴舞駅 公園口から出てすぐ


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