旧豊田佐助邸メイン

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高岳》日本を代表する大企業「トヨタ」の創設者の実弟が住んだ「旧豊田佐助邸」。白い瀟洒な姿が青空に映えるモダンな洋館付和館住宅です。

2016/09/12  

旧豊田佐助邸1
名古屋市営地下鉄 桜通線高岳駅 1番出入口から国道41号線に沿って北へ約10分。「カトリック主税町教会(ちからまちきょうかい)」の角を右に曲がり、「主税町筋(ちからまちすじ)」に入ります。武家屋敷の面影を残す門や塀、近代建築などが今も残る通りを歩いて行くと左手に見えてくるのが「旧豊田佐助邸(きゅう とよださすけ てい)」です。

旧豊田佐助邸2
この屋敷の主であった「豊田 佐助(とよだ さすけ)」氏は日本を代表する大企業「トヨタグループ」の創業者、”発明王“と呼ばれた「豊田 佐吉(とよだ さきち)」氏の実弟です。豊田紡織(現 トヨタ紡織)の社長を務めるなど、兄を支え、グループの企業基盤を作った人物です。

旧豊田佐助邸3
“白亜の洋館“という言葉がぴったりの白いタイルで覆われた「旧豊田佐助邸」は、1920年代(大正~昭和初期)に富裕層の住宅として流行した洋館付和館住宅です。洋館部分は1916年(大正5年)頃、和館部分は1923年(大正12年)に建てられたそうです。現在は所有者から名古屋市が借り受け、一般公開されています。

旧豊田佐助邸4
火・木・土曜日にはボランティアによるガイドも実施されており、この屋敷の見どころや豊田家のエピソードなどを聞くことが出来るのでオススメです。

旧豊田佐助邸5
玄関から洋館内部に入り、ガイドさんの案内でまずは1階の応接室へ。1階には大小3つの洋室があり、屋敷に訪れた客人をもてなす応接室などとして使われていたそうです。

旧豊田佐助邸6
応接室に置かれていたレコードプレイヤーももちろん「トヨタ」製。
現在では「トヨタ」というと自動車のイメージが強いですが、様々なグループ会社があり、自動車に限らず多種多様な機械製品やサービスを世に送り出しています。

旧豊田佐助邸7
応接室の天井を見上げると、四隅に変わった装飾の穴が。屋敷のあちこちにあるこの穴は換気口で、古くから縁起が良いと好まれている長寿の象徴「鶴亀」がデザインされています。きっと、豊田家の長寿と繁栄を願って作られたものなのでしょうね。
眺めているとガイドさんが「実はある文字が隠されているんですよ」と教えてくれました。一見分かりにくいですが、聞けば「とよだ」の文字が隠されているそうです。言われてみれば、鶴の頭の部分が「よ」に見えるような……

 

旧豊田佐助邸8
応接室を出て、廊下づたいに歩いて行くと和館部分へ繋がっています。
真っ白な洋館の華やかさとは違い、純和風の趣きのある木造2階建ての和館は、佐助一家が生活するプライベートな空間として使用されていました。

旧豊田佐助邸9
家庭での佐助氏は9人の子どもを持つ父親だったそうです。庭造りと大工仕事が趣味で、邸内に飾られている写真には子ども達の為に作った手製のブランコに乗って微笑む佐助氏の姿を見ることが出来ます。

旧豊田佐助邸10
いわゆる“田”の字型の間取りになった和室。広々とした和室が4間あり、仏間や居間、一家が揃って食事をする食堂などとして使われていたそうです。

旧豊田佐助邸11
大きなガラスがはめ込まれた掃き出し窓の向こうには、今も美しく整えられた広い庭を臨むことが出来ます。
一部がスライドして、明かりや風を室内に入れることが出来る無双窓や雪見障子など、現在の住宅には少なくなった日本家屋ならではの建具や装飾がとても見事です。

旧豊田佐助邸12
補強工事が終わった2013年(平成25年)からは和館だけでなく、洋館の2階も見学が可能になりました。
2階の6間ある和室には、「金砂子細工(きんすなご ざいく)」という砂のように細かくした金粉を使った日本の伝統技法などで描かれた美しい襖絵(ふすまえ)があり、この屋敷の見どころの一つとなっています。

旧豊田佐助邸13
宴会なども行われたという座敷の襖は閉めると、4枚の襖が一枚の絵になります。
滋賀県の景勝地「近江八景(おうみはっけい)」の一つとして有名な琵琶湖の「浮御堂(うきみどう)」などの景色が金粉の濃淡で描かれています。部屋にいながら雄大な景色を眺めることが出来るなんて、とても贅沢ですね。

旧豊田佐助邸14
立派な松の木と幔幕(まんまく)が描かれた襖絵には、豊田家の家紋である木瓜紋(もっこうもん)と換気口にもデザインされていた「鶴亀」マークが。
傷んだ箇所も修復を受け、屋敷の落ち着いた雰囲気に合った上品な輝きを放っています。

旧豊田佐助邸15
かつてこの地域にあった豊田一族の屋敷の中で唯一、現存している「旧豊田佐助邸」。
派手ではないものの、白いタイル張りの外壁や鶴亀のあしらわれた換気口、美しい襖絵など、屋敷のそこかしこに「トヨタ」の黎明期を支えた人物のこだわりと人柄が見えるような気がします。

「旧豊田佐助邸」のある主税町は、近隣の白壁・橦木町と共に街並み保存地区にも指定されている地域です。隣りにある「旧春田鉄次郎邸」をはじめ、周辺には見学可能な邸宅や建物を利用したレストランやカフェなども充実しています。天気の良い日には歴史情緒あふれる街並みの散策を楽しんでみるのも良さそうですね。

旧豊田佐助邸
住所〒461-0000 愛知県名古屋市東区主税町3丁目8
駅・アクセス名古屋市営地下鉄 桜通線高岳駅 徒歩約12分、なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」下車 徒歩3分
営業時間10:00~15:30
建物ガイド:火曜日、木曜日、土曜日 10:00〜15:30(受付は15:00まで)
定休日月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12月29日~1月3日
Webhttp://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/11-2-5-4-0-0-0-0-0-0.html
電話番号052-972-2780(名古屋市観光文化交流局 歴史まちづくり推進室)

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